かみつれの闘病・育児ブログ

待望の第一子妊娠!と思ったら、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)になっちゃった!そんな私の闘病や育児の記録。同じ病気の方の参考になれば幸いです。

「敏感期」を知れば子供の思考がわかる

モンテッソーリ教育では子供の「敏感期」に合わせた教育を行うことを推奨しています。

一見、大人からすると子供が一心不乱にイタズラをしているように見える行動も、「敏感期」に照らし合わせてみると子供が自分の身体の動かし方や世の中の仕組みを理解しようとしていることがわかります。

「子供がなぜその行動をするのか」が理解できれば、子供のイタズラに大人がイライラすることもなくなるし、大人の都合で子供の成長機会を奪うこともなくなるので、子育てにとってこれほど有益な情報はないのではないでしょうか。

 

今回の記事では、以下の2冊の本を参考に子供の「敏感期」について紹介したいと思います。

 

お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる 相良敦子

   

 

0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! 藤崎達宏

   

 

 

「敏感期」とは?

幼児期の子どもには、一生に一回きりの特別に敏感な感受性を発揮する「敏感期」という時期が訪れます。この「敏感期」になると、子どもは、環境から必要なものを吸収し、自分を創っていきます。その子どもの特別な感受性は、大人になるとなくなるので、大人にはしばしば理解できない奇妙な行動として目に映ります。

『お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる』Kindle版 p.551

 

敏感期はすべての生き物にある特別な期間で、人間にとっても例外ではありません。人間の敏感期は幼少期の限られた期間で、世の中を理解するため、そして自分自身の身体を理解するための重要な時間なのです。

この限られた期間をどのような環境で過ごしたかによって、その後の子供の自己肯定感や積極性が変わってきます。自分を信じて新しいことにチャレンジしていく力、そういう力を養うのが敏感期だと思うと、親としてその期間にどんな環境を与えるのか、責任重大ですよね。

 

0~1歳の間にやってくる「秩序の敏感期」

0~1歳といえばまだ言葉もままならず意思疎通が難しい時期と思います。そんな時期に毎日毎日子供がなぜ泣いているのかわからない状況が続いたら、大人も泣きたくなっちゃいますよね。まだ子育てが始まっていない私ですら、想像しただけで思わず子供を放り投げて逃げ出したくなりそうです。

子供は泣くことで意思表示をしているので、まったく泣かせないまま子育てすることはできませんが、なぜ子供が泣いているのか1つでも理由がわかればお世話をする大人の心のゆとりにつながるのではないでしょうか。

 

赤ちゃんは世の中のことを何も知らずに生まれてきます。ですから、生まれて間もなくから、世の中の状況、ルールをものすごい勢いで「秩序」として吸収していきます。その吸収の仕方は、私ども大人がするような意識的な記憶の仕方とはまったく違う、「無意識的記憶」という方法です。それはあたかも、スチールカメラで一瞬にして映像にして焼きつけるような記憶の仕方です。無意識のうちにドンドン、際限なく吸収できる素晴らしい能力なのです。

しかし、映像で焼きつけるように吸収するので、その位置や順番、方法が違うだけで、赤ちゃんは許せないくらいの不快感を覚えるのです。

『0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』p.59

 

赤ちゃんといえど、生まれた直後から自分が置かれた世界の状況を秩序として理解しようとしているなんて驚きですね。

赤ちゃんも日々身の回りの環境を理解しようと努めているんだ、と事前に知っていれば、その環境をなるべく変えないよう大人の方で気を付けることができます。

秩序の敏感期は、生まれて間もなく始まり、2歳をピークにして、3歳頃まで続くそうなので、我が家ではその間はなるべく部屋の模様替えをしないで済むよう子供が産まれる前に子供が過ごしやすいレイアウトに変更しておく、子供のお世話の手順(着替えやおむつ替え)を夫と統一することにしました。

 

「運動の敏感期」を知れば、子供のイタズラが成長の瞬間に変わる

運動と聞くとつい「将来アスリートにするための英才教育?」なんて思ってしまいますが、ここでいう運動とは手を使って物をつかんだり、ひねったりという動作一般のことを指しています。

運動の敏感期にいる子供は一つの動作を繰り返し繰り返し行い、その動きを自分の中で洗練させ習得するよう努めます。ただ、その動作というのが「ティッシュペーパーを箱から全部出してしまう」「リモコンやエレベーターのボタンを全部押したがる」「ソファやベッドの上で飛び跳ねる」というやり方なので、大人から見ると「イタズラしている」「落ち着きがない」と見えてしまいます。

この時、大人が運動の敏感期というものの存在を知っていれば、この子は今敏感期にいるんだ。動作を習得させるためだったらティッシュ1箱はこの子のために使おう。とか、このリモコンはイタズラされると困るから代わりに使っていないリモコンをあげよう。といった風に子供の敏感期に合わせた環境を作ることができるようになります。

もし、敏感期を知らなければ大人は来る日も来る日も子供のイタズラを止め、叱らなくてはいけないですし、子供としてもその動作を習得したいという欲求があるので、思う存分運動したいのに大人に取り上げられてしまうというフラストレーションをためていくことになります。

モンテッソーリ教育では、子供が今どんな敏感期にいるのかしっかり観察し、その動作を安全に心ゆくまで行える環境を作ることが重要とされています。

 

『0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』では、運動の敏感期の中でも「歩くこと」を特に重要視しています。

「人間は脳が発達したので、手が使えるようになった」と思っている方が多いようですが、それは逆です。手を使うことで脳が発達したのです。

「わが子の頭を良くしたい!」と、親であればだれもが思うことですが、その答えは、手指をたくさん使わせることにあったのです。

手指を使っている瞬間に、わが子の脳は一番活性化し、脳神経細胞の繋がりが飛躍的に発達します。そして、その手指が自由に使えるためには、しっかりした体幹で立ち上がる必要があるのです。そして、その体幹は歩くことによって育つのです。

『0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』p.122

 

多くの場合、大人にとって歩くのは移動のための「手段」の一つにすぎませんが、子供にとっては歩くことそのものが「目的」なのです。

自分の足で歩き、気になるものを見つけたらしゃがんで拾い上げ、自分の力で高いところに登ってみる。そのすべてが運動の敏感期に子供の内側からあふれる欲求です。

子供のためを思うなら、遠くのレジャーランドに連れて行ってベビーカーに乗せたまま連れ回すよりも、近所の公園で子供が自由に歩き回るのを時間の許す限り見守り続ける方が子供の成長につながるのです。

大人目線だとつい「休みの日くらいディズニーに連れて行ってあげた方が楽しいし思い出になるよね」等と考えてしまいがちですが、子供にとっては近所の公園で自分の好奇心の赴くままに歩き回る方が楽しいのですね。公園をただただ歩き回るのは大人にとってはなかなか苦痛ですが、子供の成長につながっているんだと考えて、運動の敏感期の欲求を少しでも満たしてあげたいなと思います。

 

まとめ

子供の成長とともに必ずやってくる「敏感期」を知っているのと知らないのでは、子供の成長にとっても、大人の精神衛生においてもまったく違ってくるのではないでしょうか。

私は子育てについて「いつも子供のイタズラやわがままにイライラしている」というネガティブなイメージがついていたのですが、モンテッソーリ教育を通して敏感期の存在を知ることができ、イタズラやわがままと思っていたものをポジティブに受け止められるかもな、と思えるようになりました。

実際に子育てが始まったら、そんな甘っちょろいことも言ってられないのかもしれませんが、モンテッソーリ教育の教えを通して少しでも心の余裕が持てたらいいなと思っています。