妊娠中に突発性血小板減少性紫斑病と診断されて②(診断から入院まで)
大学病院に搬送されると、すぐに救急外来に案内されました。
紹介状を記載してもらった皮膚科に事前にかかりつけの産院を知らせていたこともあり、大学病院の方で産院からこれまでの検査結果なども取り寄せてくれていました。
再度血液検査を行ったところ、血小板は1000まで低下していました。昨日の朝には8000はあったはずでは?と、自分でもびっくり。凄い勢いで自分の血小板が減少していることを知りました。
血小板が減少する原因は大きく分けて2つあるそうです。
- 骨髄内で血小板が作られなくなっている。
- 骨髄内で血小板は作られているけど、何かの原因で血小板が壊されている。
私の場合、2ヶ月前の定期検診時には血小板の数値に異常がなかったため、おそらく2つ目の理由が該当するのではないか、ということでした。
妊娠中は抗体の活動が活発になるそうなのですが、私の場合活発になり過ぎて自分の血小板まで攻撃して破壊してしまっている可能性が高いということでした。(こういうのを自己抗体性と呼ぶそうです。)
本来であれば、骨髄検査を行い原因を特定してから治療を行うのですが、妊婦に骨髄検査は負担が大きいため、とりあえずこれだろうという当たりをつけて治療を開始することになりました。
まずは低くなり過ぎてしまった血小板を輸血で補いながら、プレドニゾロンを投与して抗体の動きを抑え、血小板を増やすことになりました。
プレドニゾロンは妊娠中でも胎児への影響が比較的少ないということで、まずはこの薬剤で治療を行うことになりました。
ただ、後から本で読んで知ったことですが、プレドニゾロンも胎児への影響が全くないわけではなく口唇口蓋裂など奇形の副作用が発現する可能性があるそうです。私の場合は妊娠週数がすでに21週に入っており、胎児の身体が出来上がっている時期だったこともあり安心して使用できたのかなと思います。
血小板が低下している時に一番怖いことは、脳出血など体内で出血が起こり止血ができないまま大量出血に至ることだそうです。
入院当日から「とにかく転倒に気をつけて」と言われ、病棟から外出禁止、入浴も禁止と言われました。
血液内科の検査が一通り終わったところで、産婦人科の検査を行ってもらいました。
エコー検査で子宮の様子を確認してもらい、子宮周りに出血がないこと、胎児は問題なく元気にしていることがわかりました。
お腹の赤ちゃんが前回の検診時同様、元気に動いているのを見て安心と不安で一気に涙が溢れてきました。
産婦人科の先生から「赤ちゃんは元気だから心配ないよ」と言ってエコー写真を4枚もらいました。
この時のエコー写真は入院中、不安で心が折れそうになった夜に、何度も見返しては元気をもらいました。
赤ちゃんのためにも早く元気にならなきゃ、と励ましてくれた宝物です。
一通りの検査を終え病状がわかったところで、病室に案内されました。
この日、入院した病院では大部屋のベッドが空いておらず、そこになんとか無理矢理入院させてもらったため、入院初日のみ東京の夜景が一望できる個室の無菌室に入れてもらえることになりました。
立派すぎる個室でようやく一息ついて、なんだかとんでもないことになってしまったな、という困惑と不安を抱えながら私の闘病生活は幕を開けました。